予防歯科
むし歯になってしまうと自然治癒しません。だからこそむし歯にならないように予防することが大切です。
むし歯を予防するには
定期検診を受けましょう
当院では定期検診の際にむし歯の有無だけではなく、なりそうな部分、歯周病の進み具合、進行しそうな部分をチェックします。さらにお口の粘膜の状態を診させていただき、できものや炎症、異常の有無などの早期発見に心がけています。症状が出る前に予防できることがあります。
定期検診の間隔はお口の状態によって異なりますが、少なくとも半年に一度の受診をお勧めいたします。
PMTC(歯石除去・歯面清掃)
PMTCとはProfessional Mechanical Tooth Cleaningの略で、「専門家による機械を使った歯の清掃」という意味です。
むし歯や歯周病予防のためには毎日の歯のブラッシングによりプラークの除去を十分に行うことが重要です。また、歯にステイン(色素)や歯石が付着した場合は表面のきめが粗くなり、プラーク(歯垢)が付着しやすくなります。また、歯周病が進行して歯肉の溝が深くなった場合にも、ブラッシングのみではこれらを除去するのが困難です。
そのため、専用の器具を使い歯石除去を行った後、バイオフィルム※を除去、専用歯磨き剤(アパガードリナメル トリートメントペースト)で仕上げ磨きをします。歯の表面がツルツルしてとても気持ちが良く、むし歯・歯周病予防になります。
※バイオフィルムとは?
風呂場の排水溝、洗面台や台所のシンクなどの縁にヌルヌルした粘着物が出来ているのに気がつかれたこともあるかと思います。あれは細菌やその産生した菌体外多糖体による集合体であるバイオフィルム(生物膜)です。口腔内のプラーク(歯垢)もバイオフィルムの一つです。歯面や歯と炎症を生じた歯と歯肉の間の溝(歯周ポケット)内のバイオフィルムは数種類の細菌やその産生物からなり、薬剤や身体の免疫反応による抗体などが浸透し難く、歯周病を増悪させる要因となります。
フッ素(フッ化物)の塗布
- 脱灰:食べたものに含まれる糖質は、お口の常在菌により分解され酸を作り、歯の表面が酸性になり、歯が溶かされます。
- 再石灰化:口の中から食べ物がなくなると、唾液の効力で中和され、歯の表面が中性に戻り、修復されます。
むし歯は「脱灰」と「再石灰化」のバランスが崩れた時に生じる病気です。
フッ化物の効果
- 「再石灰化」を促進する
- 歯の質を耐酸性にする
- 細菌が酸を作ることを抑える
歯の表面をコーティングしているエナメル質は強固に結晶をつくっています。結晶エナメル質は、身体の中で最も硬い組織で、96%のリン酸化カルシウム(ハイドロキシアパタイト※)を中心とした無機質と、4%の有機質、水で構成されています。結晶の造りは個人差があり、同じように磨いていてもむし歯になりやすい歯の質の方がいらっしゃいます。
フッ化物は歯の表面の結晶に結合し、歯を強くします。安全な濃度をきちんと守って使用すれば、予防効果が高い薬品です。生えたての歯は特に取り込みやすいので、生えたら早めに歯科医院でフッ化物を塗るか、フッ化物入りの歯磨き剤を使用するとよいでしょう。大切な歯を守るために、ブラッシング・フロス使用の習慣化、フッ化物の塗布をお勧めいたします。
※ ハイドロキシアパタイトとは?
歯の表面にあるエナメル質の約96%、象牙質の70%を占めています。
オーラルケア アパガードリナメルは薬用ハイドロキシアパタイトを含んでいます。
当院の治療ではPMTCにリナメルトリートメントペーストを使用しています。こちらはナノ粒子ハイドロキシアパタイトがアパガードリナメルの2倍含有されています。
歯磨き剤・マウスウォッシュについて
フッ化物配合歯磨き剤
日本では、フッ化物として、
- フッ化ナトリウム
- フッ化スズ
- モノフルオロリン酸ナトリウム
の3種類が承認されています。
これまで日本における歯磨き剤に配合できるフッ化物濃度の上限は1,000ppm以下に規制されていました。一方、国際標準化機構(ISO)では1,500ppmが上限となっており、日本は世界標準よりも低い濃度に設定されていました。しかし、2017年3月にようやく1,000ppmを超える歯磨き剤が承認されています。現在様々な1,450ppmの高濃度フッ化物配合歯磨き剤(フッ化ナトリウム、フルオロリン酸ナトリウムのみ承認)が販売されています。ただし、6歳未満のお子様には子ども用950ppm・500ppm・100ppm配合のものを使用してください。
当院で取り扱っている高濃度フッ化物歯磨き剤
- 松風 メルサージュ ヒスケア・ヒスケアジェル・ホワイトニングケア
- 昭和薬品化工株式会社 ヒノペリオ
- ライオン チェックアップスタンダード
お子様用のフッ化物歯磨き剤
- ライオン チェックアップkodomo
- ライオン チェックアップgel Banana
- お子様用歯磨き剤
ハイドロキシアパタイト配合歯磨き剤
バイオリペア Biorepair ® pro
ペースト、マウスウォッシュいずれもフッ化物無配合で、インプラントを入れている方にもお勧めです。
天然由来成分でエナメル質を修復、歯肉炎予防、知覚過敏改善、インプラントを守る
【バイオリペアの成分】
1.マイクロリペア®:歯を修復 インプラント体を守る
天然歯は、エナメル質の約96%、象牙質のおよそ70%がハイドロキシアパタイトで形成されています。バイオリペアにはハイドロキシアパタイトを主としたマイクロリペア®という最新技術の成分が含まれています。
2. フッ素無配合:インプラントにも安心
フッ素がインプラント体を劣化させるというデータがあります。そのため、インプラントが口腔内に入っている方はフッ素無配合の歯磨き剤をお勧めしております。
3. ラクトフェリン:歯周病予防
歯周病はバイオフィルム化したプラークが原因です。バイオフィルムとは微生物の集合体のことで、口腔内で成長しやすく抗菌薬などが効きません。ラクトフェリンは抗菌活性を持ち歯周病菌の抑制効果(※)があるため、バイオフィルム化を防ぐことができます。
※ 歯周病菌の原因菌は主に嫌気性菌(生育に酸素を必要としない細菌)と呼ばれるものです。嫌気性菌は細胞外毒素を出し、骨を壊(こわ)す破骨細胞を活発にさせます。ラクトフェリンは細胞外毒素に作用し、破骨細胞の活発化を抑(おさ)えます。
4. ビタミンA、E、ハーブ各種:歯肉を守る
ビタミンAは抗酸化作用をもち、ビタミンEは歯肉細胞の老化を防ぎます。またキンセンカやスピルリナなどのハーブも抗炎症作用や抗酸化作用を持つため、歯肉を健康な状態に保ちます。
当院で取り扱っているハイドロキシアパタイト配合歯磨き剤
- アパガードリナメル(Oral Care)
- バイオリペア®PRO(大信貿易株式会社):歯磨き剤、マウスウォッシュ
歯磨き剤の選び方
歯磨き剤 | 効能 | フッ化物 の濃度 (単位: ppm) | キシリ トール |
---|---|---|---|
ペリオバスター | 歯周病ケア 歯肉・粘膜が荒れやすい方にもお勧めのエタノールフリー | ― | 〇 |
バイオリペア | むし歯予防 抗菌・抗酸化作用、mHAP | ― | ― |
メルサージュヒスケア | 知覚過敏・歯周病ケア、むし歯予防 2種類の凍み止め成分配合、研磨剤無配合で歯を傷付けない | 1450 | 〇 |
メルサージュ ホワイトニングケア | 知覚過敏・美白効果・歯周病ケア、むし歯予防 凍み止め成分、ステイン溶解除去成分配合、IPMP | 1450 | 〇 |
ヒノペリオ | 歯周病ケア 歯石沈着予防効果、IPMP | 1450 | 〇 |
アパガードリナメル | むし歯予防 全てにフッ化物とCPC | ― | 〇 |
チャックアップシリーズ | 美白効果、むし歯予防 | kodomo500…500 kodomo…950 standard…1450 | 〇 |
ルシェロホワイト | 歯周病ケア、美白効果 ヤニ・茶渋の除去 | 950 | 〇 |
ナノペリオ | ― | 〇 |
※mHAP:ハイドロキシアパタイト、再石灰化作用
※フッ化物:歯を耐酸性にする
※CPC:塩化セチルピリジウム、抗菌作用
※IPMP:イソプロピルメチルフェノール、抗菌作用
※キシリトール:むし歯菌の活動を弱める
ご自分の歯を守るために
歯科技術がどんなに進歩してもご自分の歯に勝るものはありません。ご自分の歯を守るためには歯科疾患になる前に予防することが大切です。いくら数か月ごとに歯科医院でクリーニングをしても、お口の中のことを初めに気付き、いたわり、毎日のメンテナンスをするのはご自身になります。ポプラアベニュー歯科クリニックでは、皆様のライフスタイルに合わせてお口の健康を守れるように、歯科疾患を予防する方法を一緒に考えます。