診療案内 Treatment

口腔外科

ポプラアベニュー歯科クリニックでは、口腔外科専門医が常勤しています。
親知らず・顎関節症・インプラント(人工歯根)の治療、粘液嚢胞切除術、歯根端切除術、カンジダ症、有病者の方にも対応しております。

親知らずの抜歯:親知らずの痛みにお悩みの方

親知らずとは、中央(真ん中)の歯から奥に向かって数え、8番目の歯です(全ての歯が揃っている場合)。
歯科医院で、親知らずを抜歯できないと言われ、大きい病院に行かなくてはならなくなってしまったが、時間が取れず困っている…という方はいらっしゃいませんか?
深く骨に埋まっていて抜歯困難・顎骨の中の太い血管や神経に近い親知らずでも、口腔外科医であれば抜歯可能な場合があります。お気軽にご相談ください。

顎関節症の治療:顎の痛みにお悩みの方

顎関節症は、

  • 顎の関節が鳴る
  • 口が大きく開かない
  • 顎が痛い

などが主な症状です。
顎関節症の治療方法としては、マウスピースを装着し症状を緩和します。
特別な治療や手術が必要な場合(顎関節の骨の病気、関節円板周囲の組織にダメージがあるなど)は関連病院をご紹介致します。

顎関節症の治療の流れ

  1. 歯の型を取ります。
  2. マウスピースを作ります。歯の型をとった2.3日後に出来上がります。
  3. 咬み合わせの調整をします。
  4. 主に夜間、必要であれば日中につけます。マウスピースの着脱はご自身で行います。
  5. 定期的に調整をします。マウスピースが磨り減ったり、咬み合わせが変わることがありますので定期的に調整を行います。

マウスピース(スプリント)について

顎(あご)が痛い、だるい、歯ぎしりが気になる、よく詰め物やかぶせものがとれる・欠ける、自分の歯が割れる、入れ歯が折れる…などの症状がある方には、歯や顎を守るためにマウスピースを装着してもらうことがあります。

保険が効いて、2,500円(3割負担)ほどかかります。
朝起きたら顎があけづらい、歯ぎしりが気になる…などで悩んでいる方にも効果的です。ご相談ください。

「舌の横の部分や頬が波打っている!?」

両側の頬や舌の側面が波打っているように見えることがあります。
これは就寝中など無意識のうちに力を入り、歯を咬みしめていることが原因です。
同時に舌にも力が入っており、頬や舌が歯に押しつけられ圧痕が出来て「波打っている」様に見えるのです。
顎の関節や頬の筋肉(咀嚼筋)に痛みが出たり、歯の一部が欠けて(くさび状欠損)知覚過敏を生じたり、圧痕の一部に口内炎が出来ることもあります。
このような場合、顎関節や歯への負担を和らげるマウスピース装着が有効です。
咬みしめてしまう原因は様々で、医科での治療が必要となる場合もあります。

咬み合わせが気になる

歯とお口の中の健康を保つためには、咬み合わせがとても重要です。咬み合わせのずれは、お口の中や全身的な健康への影響を及ぼすことがあります。

咬み合わせのずれにより起こりうる症状・疾患

知覚過敏、歯が動く(揺れる)、歯周病、むし歯、歯が割れる、詰め物がとれる、顎関節症など

上記のような症状が起きたり疾患になると、お食事が上手くとれなかったり、痛みが出ることがあります。そのため、顔のゆがみや全身のゆがみ、偏頭痛や肩こりなどの原因にもなることがあります。
きれいに歯が並んでいても奥歯の数本しか咬み合っていない方もいらっしゃいます。骨格的な要因以外にも、日々の習慣や食生活内容などにより、咬み合わせは少しずつ変化します。歯や顎に違和感を感じる、咬み切りにくい、食事をすると顎が疲れるなどの症状がある方は歯科医院で咬み合わせをチェックすることをお勧めします。

口の中にできものや痛みがある方

当院で診る主な口腔粘膜疾患・できものは

  • 口内炎
  • 口腔カンジダ症
  • ウィルス性疾患(帯状疱疹、ヘルペス性口内炎など)
  • 粘液嚢胞
  • 良性腫瘍

です。

口内炎

お口の中の粘膜や舌、歯肉に炎症性の病変が生じた疾患の総称です。

口内炎の原因

(1)生活習慣によるもの

傷や刺激:お口の中の粘膜が傷ついたり、細菌感染することで口内炎を引き起こすことがあります。

  • 尖った歯やかぶせもの、合っていない義歯がある
  • 頬や舌を誤って咬んでしまう
  • 酸性、アルカリ性、熱い、角が硬い、尖っている飲食物による傷
  • 歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなどの誤った使用方法による傷

鉄、ビタミン不足

  • ビタミンB2、B6、葉酸の不足
  • ストレスや睡眠不足が原因になることもある

(2)ウィルスやカビによる感染

  • ウィルス:帯状疱疹、麻疹、風疹、ヘルパンギーナ、手足口病
  • 真菌:カンジダ菌
  • 結核
  • 梅毒

(3) アレルギー反応

  • 飲食物や歯磨き粉、うがい薬の刺激

(4) 口内炎を引き起こす主な病気

  • ベーチェット病:再発性アフタ
  • 多形滲出性紅斑症候群(皮膚・粘膜・眼症候群):びらん性口内炎
  • 皮膚疾患:天疱瘡(てんほうそう)、類天疱瘡(るいてんほうそう)、扁平苔癬(へんぺいたいせん)
  • 膠原病:全身性エリテマトーデスなど

(5) 原因不明
ここに挙げた以外の原因の可能性もあります。

口内炎の症状

痛み、違和感、凍み、腫れなど。
無症状のこともあります。

口内炎の治療

うがい薬などでお口の中を清潔に保つことが大切です。それぞれの原因に対する治療をします。ウィルスや真菌感染には薬を使用します。痛みが強い時には、ステロイド含有の軟膏を塗布することがあります。

口内炎の識別

2週間以上治らない場合には、専門医を受診しましょう。食事がとれないほど広範囲の口内炎ができたら、早めに受診しましょう。特に小児は体力を消耗しやすいので早めの対処が必要です。

どんなビタミンを摂ったらいいの?

● ビタミンB1:糖質の分解を助ける

普段から糖質の多い食生活を送っている方は意識をして摂取したほうがよいでしょう。脳は糖質が分解されて作られるブドウ糖をエネルギー源としています。中枢神経と末梢神経の機能を正常に保つために、糖質の分解を助けるビタミンB1が必要です。

多く含まれる食べ物:豚肉、豆、玄米、チーズ、牛乳、緑黄色野菜

● ビタミンB2:脂質の代謝を促す

脂質の多い食生活を送っている方は意識をして摂取したほうがよいでしょう。皮膚や粘膜、爪、髪の毛を健やかに保ち、再生を促す働きがあります。また有害な過酸化脂質を分解します。

多く含まれる食べ物:レバー、うなぎ、納豆、卵、干ししいたけ、アーモンド、牛乳

※ 過酸化脂質とは
コレステロールや中性脂肪などの脂質が活性酸素により酸化したものです。シミやシワ、アトピー性皮膚炎、動脈硬化、ガンの原因にもなる物質として知られています。
※ アルコール
ビタミンB2はアルコールを分解するときに多く消費されてしまいます。口内炎ができやすい方はアルコールを控えてみるといいでしょう。

● ビタミンB6:健康な肌、髪、歯を作る

たんぱく質を構成するアミノ酸の代謝に不可欠です。たんぱく質の摂取が多い食生活を送っている方は意識をして摂取したほうがよいでしょう。脂質の代謝もサポートするため、肝臓に脂肪が蓄積するのをおさえます。

多く含まれる食品:レバー、まぐろ、かつお、ピスタチオ

● 葉酸:貧血を防ぐ

血液を作るのに欠かせないビタミンの一つです。口内炎予防にもなります。

多く含まれる食品:レバー、ブロッコリー、ほうれん草

ワーファリンを飲んでいる方へ

口角炎・口内炎とワーファリンについて
口角炎や口内炎にはビタミンB2、B6が多く含まれる緑黄色野菜などを摂取することで改善されます。ワーファリンは緑黄色野菜の一部に含まれるビタミンKの拮抗薬(働きを阻害する薬)です。血液を凝固させるために必要な血液凝固因子のⅡ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ因子は肝臓で合成されます。これにはビタミンKが必要です。ワーファリンはビタミンKの働きを阻害することで凝固因子が作られることを抑制し、血液を固まりにくくする作用を発揮します。そのため、「ビタミンKを多く含む食品:納豆、クロレラ、青汁などは摂取しないこと」と注意書きがあります。緑黄色野菜も過剰摂取しないと記載がありますが、中にはビタミンKを含まない食べ物がありますのでご紹介いたします。

ビタミンB2、B6を多く含み、かつビタミンKをほとんど含まないもしくは含まない食品
(食品100gあたりのビタミンK含有量μg)

お魚:まぐろ(0)、かつお(0)
お肉:鶏肉レバー(14)、牛肉レバー(1)、豚肉はつ(1)、豚肉レバー(0)
卵:生卵(13)
乳製品:牛乳(2)、チーズ(2) 
野菜:ピーマン(20)、空豆(19)、赤ピーマン(7)、トマト(4)、にんじん(3)、にんにく(0) 
調味料:酒粕(0)

摂取を控えるように言われている納豆のビタミンKは600~930μgですので、単位が違うことがわかります。ワーファリンを飲んでいる方も上記の食品をうまく取り入れていただいて、口内炎・口角炎の予防をしましょう。

口腔カンジダ症

口腔カンジダ症は主にカンジダ・アルビカンスという真菌(かびの一種)が原因となりお口の中でおこる感染症です。
お口の中にも常在菌がおり、カンジダ菌も多くの人が保有しています。健康であれば常在菌のバランスが保たれていますが、服用薬やお病気、加齢などにより免疫力が低下すると発症しやすくなります。また、口腔乾燥:唾液流出量の低下や、菌が繁殖しやすいかぶせもの、清掃状態が良くない入れ歯などがお口の中にあると発症することがあります。

口腔カンジダ症の見た目・症状

口腔カンジダ症は、頬の内側の粘膜や舌に白い苔状のものが付着したり、赤くなることがあります。
症状としては違和感や異物感、ひりひり感、疼痛、粘膜が剥離する、などが生じます。

口腔カンジダ症の診断

当院ではカンジダ菌を簡単に検出する培地:カンジダディテクターを用意しております。

  1. お口の症状がある粘膜・舌を滅菌綿棒でぬぐい、検体を採取します。
  2. 検体を培地に軽く塗り、3~5日間培養します(菌が多い時は次の日に反応が確認できることもあります)。
  3. 培地の色、コロニーで陽性、陰性を判定します。
カンジダディテクター
カンジダ菌:陽性
カンジダ菌検査結果シート

口腔カンジダ症の治療

カンジダ菌レベルが陽性と判定された場合には、抗真菌薬のうがいをしていただきます。軽症の場合は1~2週間で治癒しますが、原因の除去が困難であったり、他の要因がある場合には長期になることもあります。

ウィルス性疾患

ウィルス感染により口腔内やその周囲に症状が出る病気があります。

水痘・帯状疱疹ウィルスによる病変 varicella-zoster virus(VZV)

  • 水ぼうそう
  • 帯状疱疹(たいじょうほうしん)
  • Ramsay Hunt症候群(ラムゼイ・ハント症候群)
水痘・帯状疱疹ウィルスによる病変

単純疱疹ウィルスによる病変 herpes simplex virus(HSV)Ⅰ型

  • ヘルペス性口内炎
  • 口唇ヘルペス
単純疱疹ウィルスによる病変

ウィルス性疾患の治療

帯状疱疹、Ramsay Hunt症候群、ヘルペス性口内炎は食事が困難になることもあり、入院して治療を行うこともあります。お口の中のケアとして、ご自身で痛くて触れない部分の細菌除去や、うがい薬やトローチなどで清潔に保ちます。

粘液嚢胞

粘液嚢胞の治療

小さい場合には全部摘出します。繰り返す場合には周りにある小唾液腺も一緒に摘出することもあります。
大きい場合には一部の嚢胞壁のみ切り取り、周りを縫い合わせ、中に入っている液体を出します。嚢胞が小さくなった後に全部摘出します。

粘液嚢胞の検査

当院では鑑別診断のために、病理組織検査を行っています。結果は7~10日ほどで分かります。

その他対応できること

その他対応できること

歯根端切除術

長期に根の治療をしても治らない根腐れの部分と病巣を摘出する手術です。歯は残ります。当院ではマイクロスコープ:手術用顕微鏡を使用して行っています。 

良性腫瘍摘出術

舌や頬にできたできものを摘出する手術です。明らかに良性と判断したものを摘出しておりますが、念のためにどんな細胞でできているか検査に出しています。

どんな有病者に対応できる?

高血圧症、糖尿病、肝炎、血が止まりにくいお薬を飲んでいる方などの治療も行っております(程度によっては治療できないことがございます。ご相談ください)。

口の中にできものや痛みがある方はご相談ください

扁平苔癬、白板症、紅板症、粘液嚢胞以外の嚢胞、腫瘍にも対応しております。
必要な場合は関連病院へ紹介しています。
お口の中の炎症がなかなか治らない、痛みが続いているなどの症状がある方は早めの受診をお勧めします。

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