予防歯科
むし歯になってしまうと自然治癒しません。だからこそむし歯にならないように予防することが大切です。
むし歯を予防するには
定期検診を受けましょう
当院では定期検診の際にむし歯の有無だけではなく、なりそうな部分、歯周病の進み具合、進行しそうな部分をチェックします。さらにお口の粘膜の状態を診させていただき、できものや炎症、異常の有無などの早期発見に心がけています。症状が出る前に予防できることがあります。
定期検診の間隔はお口の状態によって異なりますが、少なくとも半年に一度の受診をお勧めいたします。
GBT『GUIDED BIOFILM THERAPY®』による歯石除去・歯面清掃・バイオフィルム除去
歯のクリーニング
当院はEMS社のエアフロー プロキシマスター®を使用した、最新のむし歯・歯周病予防システムGBT®を導入しています。
当院はGBT認定クリニックです。
当院がGBTをおすすめしている理由
従来のクリーニングは歯磨剤による機械的歯面研磨がメインでしたが、GBTはバイオフィルムに着目したシステムです。バイオフィルムとはプラーク(歯垢)の細菌自身が作り出す粘着性の強いフィルム状の物質で、虫歯や歯周病の原因となります。水に溶けず、この中で細菌はさらに増殖します。ブラッシングでは容易に除去できません。虫歯と歯周病はバイオフィルム感染症です。歯を失くす原因の約70~95%を占めています。
GBTは消毒剤や抗菌剤を使用せず、特殊なパウダーを吹き付けてバイオフィルムを除去するため、痛みもほとんどなく、歯を傷つけない、歯に優しい治療法です。
また凍みや痛みをほとんど感じず優しくステインを除去することができます。
クリーニングの重要性について
クリーニングとは、虫歯や歯周病の原因となる歯垢や歯石を専用の器具や機械を使って取り除くことです。
GBTによって、子供や成人の虫歯や歯肉の病気が予防しやすくなります。
バイオフィルムがない=虫歯になりにくい・歯周病が進行しにくい状態です。
GBTとは
GBT『GUIDED BIOFILM THERAPY®』は従来の歯周病治療や歯面清掃とは違う、予防歯科先進国であるヨーロッパで生まれた安全性の高い治療・予防法です。
虫歯や歯周病の原因であるバイオフィルムは日々のブラッシングではなかなか除去することが困難です。
口腔内で発生するむし歯・歯肉炎、歯周病などの疾患の約70~95%がバイオフィルムに起因すると言われています。
GBTはそのバイオフィルムに着目、専用の機械で特殊なパウダーを歯に吹き付けてバイオフィルムを取り除きます。
GBTの特徴
身体に優しい<歯やかぶせ物、インプラント、歯列矯正器具の表面を傷つけない>
従来の清掃・予防法ではクリーニングの際に痛みが生じたり、歯面や補綴(被せ物や詰め物)、インプラントの表面などを傷つけ、痛みや侵襲を引き起こす可能性があります。
GBTでは、エアフローという器具を主に使用し極力器具が直接歯に触れないように処置をしていきます。またわずか14㎛という非常に粒子の細かいパウダーを使用するため、従来の清掃方法では禁忌だった金属の被せ物、セラミック、インプラント、歯列矯正器具に傷つけることなく、バイオフィルムや歯石のみを安全に除去することが可能です。

痛みが少なくより効果的<深い歯周ポケットにも対応>
4mmから9mmまでの深い歯周ポケットおよびインプラント周囲ポケットにも、専用のペリオフローノズルを使用。より柔軟でよりアクセスしやすいため、痛みを感じにくく、かつ最大限の予防・快適性が得られます。
快適<歯石除去の音が静か>
オリジナルの機能が付いた超音波スケーラーは、音が静かで歯肉に優しく低侵襲かつ大きな予防効果を発揮します。
負担が少ない<クリーニングの時間を短縮>
GBTはバイオフィルムを染出しして行うため、従来のクリーニングに比べ、正確で的確なバイオフィルムと歯石除去が可能です。
専用のパウダーと機械により必要なポイントに必要な処置のみを行うため、治療時間・回数が短縮され患者さんにかかる精神的・身体的な負担が少なくなりました。
GBTによるクリーニング法
①口腔内の状態の診査・診断
歯、歯周組織全体をチェック、現在の状態を説明します
②バイオフィルムの染出し
染出し液で染出しされたバイオフィルムの付着状況を確認、説明します
③現状説明
染出しの結果を元に、現状の説明、ホームケア方法など、患者さん一人一人に合った方法を提示します
④エアフロー
パウダーでバイオフィルムや着色(ステイン)、早期歯石を除去していきます。パウダーはエリスリトールというエナメル質に使用しても安全な水溶性の甘味料のため、快適にクリーニングを受けていただくことが可能です。
⑤歯周ポケット内のバイオフィルム除去
残った歯石を、歯面や歯肉に侵襲を与えにくい専用の超音波スケーラーで除去していきます。
⑥歯面のパック
口腔内の状況に合わせたトリートメント材で歯面を保護します。
※「エアフロー プロフィラキシスマスター®」は世界で唯一GBTが可能な機械です。
※上記のクリーニングは自費のクリーニングとなります。
※自費のクリーニングを希望された場合でも、歯肉の炎症が強い、歯周病に罹患しているなど保険治療が必要なこともありますので、一度口腔内の状況を確認させていただきます。
GBTとPMTCの違い
PMTC(機械的歯面研磨)の場合は歯の表面を器具で擦るため、目に見えないほどの傷がついてしまいます。 細かい傷が歯の表面に付くことで着色やプラークの付着がしやすくなります。 しかし、GBTは細かい粒子を噴射して行うため、歯を傷つけることなく予防ケアが可能になります。
保険と自費のクリーニングの違い
保険と自費のクリーニングで一番の違いは、保険は治療が目的、自費は予防が目的となります。
保険診療とは本来、病気の歯に対して治療を行うためのものです。そのため、レントゲン撮影や検査などが必ず必要になります。
自費診療は保険のようなルールはありません。その為、一気に全ての歯石を取ることも可能です。また着色(ステイン)は病気ではないため、本来は自費クリーニングの対象となります。
*GBTは完全予約制です。ご希望の方はお電話またはWEB予約の際ご希望の旨をお伝えください。
※バイオフィルムとは?
風呂場の排水溝、洗面台や台所のシンクなどの縁にヌルヌルした粘着物が出来ているのに気がつかれたこともあるかと思います。あれは細菌やその産生した菌体外多糖体による集合体であるバイオフィルム(生物膜)です。口腔内のプラーク(歯垢)もバイオフィルムの一つです。歯面や歯と炎症を生じた歯と歯肉の間の溝(歯周ポケット)内のバイオフィルムは数種類の細菌やその産生物からなり、薬剤や身体の免疫反応による抗体などが浸透し難く、歯周病を増悪させる要因となります。
フッ素(フッ化物)の塗布
- 脱灰:食べたものに含まれる糖質は、お口の常在菌により分解され酸を作り、歯の表面が酸性になり、歯が溶かされます。
- 再石灰化:口の中から食べ物がなくなると、唾液の効力で中和され、歯の表面が中性に戻り、修復されます。
むし歯は「脱灰」と「再石灰化」のバランスが崩れた時に生じる病気です。
フッ化物の効果
- 「再石灰化」を促進する
- 歯の質を耐酸性にする
- 細菌が酸を作ることを抑える
歯の表面をコーティングしているエナメル質は強固に結晶をつくっています。結晶エナメル質は、身体の中で最も硬い組織で、96%のリン酸化カルシウム(ハイドロキシアパタイト※)を中心とした無機質と、4%の有機質、水で構成されています。結晶の造りは個人差があり、同じように磨いていてもむし歯になりやすい歯の質の方がいらっしゃいます。
フッ化物は歯の表面の結晶に結合し、歯を強くします。安全な濃度をきちんと守って使用すれば、予防効果が高い薬品です。生えたての歯は特に取り込みやすいので、生えたら早めに歯科医院でフッ化物を塗るか、フッ化物入りの歯磨き剤を使用するとよいでしょう。大切な歯を守るために、ブラッシング・フロス使用の習慣化、フッ化物の塗布をお勧めいたします。
※ ハイドロキシアパタイトとは?
歯の表面にあるエナメル質の約96%、象牙質の70%を占めています。
オーラルケア アパガードリナメルは薬用ハイドロキシアパタイトを含んでいます。
当院の治療ではPMTCにリナメルトリートメントペーストを使用しています。こちらはナノ粒子ハイドロキシアパタイトがアパガードリナメルの2倍含有されています。


歯磨き剤・マウスウォッシュについて
フッ化物配合歯磨き剤
日本では、フッ化物として、
- フッ化ナトリウム
- フッ化スズ
- モノフルオロリン酸ナトリウム
の3種類が承認されています。
これまで日本における歯磨き剤に配合できるフッ化物濃度の上限は1,000ppm以下に規制されていました。一方、国際標準化機構(ISO)では1,500ppmが上限となっており、日本は世界標準よりも低い濃度に設定されていました。しかし、2017年3月にようやく1,000ppmを超える歯磨き剤が承認されています。現在様々な1,450ppmの高濃度フッ化物配合歯磨き剤(フッ化ナトリウム、フルオロリン酸ナトリウムのみ承認)が販売されています。ただし、6歳未満のお子様には子ども用950ppm・500ppm・100ppm配合のものを使用してください。
当院で取り扱っている高濃度フッ化物歯磨き剤
- 松風 メルサージュ ヒスケア・ヒスケアジェル・ホワイトニングケア
- 昭和薬品化工株式会社 ヒノペリオ
- ライオン チェックアップスタンダード

※当院ではソフトミントのみ
取り扱っていおります。



お子様用のフッ化物歯磨き剤
- ライオン チェックアップkodomo
- ライオン チェックアップgel Banana
- お子様用歯磨き剤

※950ppm

※500ppm

※900ppm
ハイドロキシアパタイト配合歯磨き剤
バイオリペア Biorepair ® pro
ペースト、マウスウォッシュいずれもフッ化物無配合で、インプラントを入れている方にもお勧めです。
天然由来成分でエナメル質を修復、歯肉炎予防、知覚過敏改善、インプラントを守る
【バイオリペアの成分】
1.マイクロリペア®:歯を修復 インプラント体を守る
天然歯は、エナメル質の約96%、象牙質のおよそ70%がハイドロキシアパタイトで形成されています。バイオリペアにはハイドロキシアパタイトを主としたマイクロリペア®という最新技術の成分が含まれています。
2. フッ素無配合:インプラントにも安心
フッ素がインプラント体を劣化させるというデータがあります。そのため、インプラントが口腔内に入っている方はフッ素無配合の歯磨き剤をお勧めしております。
3. ラクトフェリン:歯周病予防
歯周病はバイオフィルム化したプラークが原因です。バイオフィルムとは微生物の集合体のことで、口腔内で成長しやすく抗菌薬などが効きません。ラクトフェリンは抗菌活性を持ち歯周病菌の抑制効果(※)があるため、バイオフィルム化を防ぐことができます。
※ 歯周病菌の原因菌は主に嫌気性菌(生育に酸素を必要としない細菌)と呼ばれるものです。嫌気性菌は細胞外毒素を出し、骨を壊(こわ)す破骨細胞を活発にさせます。ラクトフェリンは細胞外毒素に作用し、破骨細胞の活発化を抑(おさ)えます。
4. ビタミンA、E、ハーブ各種:歯肉を守る
ビタミンAは抗酸化作用をもち、ビタミンEは歯肉細胞の老化を防ぎます。またキンセンカやスピルリナなどのハーブも抗炎症作用や抗酸化作用を持つため、歯肉を健康な状態に保ちます。
当院で取り扱っているハイドロキシアパタイト配合歯磨き剤
- アパガードリナメル(Oral Care)
- バイオリペア®PRO(大信貿易株式会社):歯磨き剤、マウスウォッシュ


(歯磨き剤)

(マウスウォッシュ)
歯磨き剤の選び方




| 歯磨き剤 | 効能 | フッ化物 の濃度 (単位: ppm) | キシリ トール |
|---|---|---|---|
| ペリオバスター | 歯周病ケア 歯肉・粘膜が荒れやすい方にもお勧めのエタノールフリー | ― | 〇 |
| バイオリペア | むし歯予防 抗菌・抗酸化作用、mHAP | ― | ― |
| メルサージュヒスケア | 知覚過敏・歯周病ケア、むし歯予防 2種類の凍み止め成分配合、研磨剤無配合で歯を傷付けない | 1450 | 〇 |
| メルサージュ ホワイトニングケア | 知覚過敏・美白効果・歯周病ケア、むし歯予防 凍み止め成分、ステイン溶解除去成分配合、IPMP | 1450 | 〇 |
| ヒノペリオ | 歯周病ケア 歯石沈着予防効果、IPMP | 1450 | 〇 |
| アパガードリナメル | むし歯予防 全てにフッ化物とCPC | ― | 〇 |
| チャックアップシリーズ | 美白効果、むし歯予防 | kodomo500…500 kodomo…950 standard…1450 | 〇 |
| ルシェロホワイト | 歯周病ケア、美白効果 ヤニ・茶渋の除去 | 950 | 〇 |
| ナノペリオ | ― | 〇 |
※mHAP:ハイドロキシアパタイト、再石灰化作用
※フッ化物:歯を耐酸性にする
※CPC:塩化セチルピリジウム、抗菌作用
※IPMP:イソプロピルメチルフェノール、抗菌作用
※キシリトール:むし歯菌の活動を弱める
ご自分の歯を守るために
歯科技術がどんなに進歩してもご自分の歯に勝るものはありません。ご自分の歯を守るためには歯科疾患になる前に予防することが大切です。いくら数か月ごとに歯科医院でクリーニングをしても、お口の中のことを初めに気付き、いたわり、毎日のメンテナンスをするのはご自身になります。ポプラアベニュー歯科クリニックでは、皆様のライフスタイルに合わせてお口の健康を守れるように、歯科疾患を予防する方法を一緒に考えます。
