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治療内容

妊娠中、授乳中の局所麻酔について

こんにちは。
麻酔は大丈夫なのかな、レントゲンは、などどいろいろなことが心配になりますね。
今日は麻酔についてお話をします。

妊娠4週~7週には胎児の中枢神経、心臓、消化器、手足などが発生します。
特に、2カ月までは妊娠に気付くかどうかの時期ですので、妊娠の可能性があれば歯科医院でその旨を伝えてくださると対処ができます。

アメリカミネソタ大学のチームが妊娠13~21週、または産後3ヶ月までの方823人を対象に研究を行いました(The Journal of the American Dental Association[2008;139(6):685-695]に掲載されました)。

死産、陣痛による24時間以上の入院、それ以外の理由による入院、胎児奇形、先天異常、新生児死亡などの発生の有無をみました。

結果より、Bryan Michalowicz氏らは
「13~21週の妊婦の歯科治療について、中等度~重度の虫歯、破折歯、根の治療や局所麻酔薬の投与は、安全に施行可能である」
と結論づけています(Dental Tribuneより)。

それでも気になるかたはいらっしゃることでしょう。

  • 歯科用キシレステシン:リドカインと血管収縮薬としてアドレナリンが配合
  • アドレナリン:通常の使用量では弱い子宮弛緩作用により胎盤血流量は増加するとされています。
  • 歯科用シタネスト・オクタプレシン:塩酸プロピトカインと血管収縮薬としてフェリプレシンが配合
  • プロピトカイン:胎盤を容易に通過し、母体濃度より胎児濃度が高くなるため、使用は避けたほうが安全とされています。
  • 歯科用スキャンドネスト:塩酸メピバカイン 血管拡張作用がないためアドレナリンは添加不要
  • メピバカイン:リドカインより胎盤通過性は低いが血中濃度が高くなると胎盤への結合率が高くなります。

以上より、当院では治療の有益性が局所麻酔薬の危険性を上回ると判断される場合にのみ使用し、キシレステシンまたはスキャンドネストを選択し、使用量を必要最低限にするように治療しております。

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