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口腔外科

顎が痛くなったら

顎が痛くなる原因は多様です。今回は顎関節が突然痛くなり、お口が1~2㎝くらいしか開かなくなった場合、おうちでの対処法をお話いたします。

<安静にしましょう>

大きくお口をあけないようにしましょう(痛みを感じない位で止めましょう)。

大きな口を開けての会話、発声は控えましょう。

<食事>

繊維質の多い食べ物、弾性が強い食べ物は控えましょう。

かみ切りにくいお肉、ガム・キャラメル・グミ・弾性が強いパン・お餅など 

食べ物は小さく切ってお口に入れてください。

痛くない方の歯のみで咬むと顎の位置がずれますので、なるべく左右均等に咬むようにしましょう。

<日常生活>

重いものを持たないようにしましょう。

運動はマウスピースを装着して行うか、控えるようにしましょう。

口にくわえて演奏する楽器の使用はなるべく控えましょう。

<お口が全く開かなくなったら>

下あごを少し前方にずらしてから開けてみてください。

<受診>

上記はあくまで受診するまでの対処法です。早めの歯科口腔外科受診をお勧めいたします。

お知らせ

年末年始診療日のお知らせ

2022年年末、2023年年始診療日のお知らせです。

12/28 午後~休診

12/29~1/4まで 休診

1/5㈭~ 通常通り診療いたします

本年はマイクロスコープを使用した治療が充実した一年でした。徐々に直接覆髄、歯根端切除術、穿孔にMTAセメントを用いた治療法が浸透し、お問い合わせも増えてきました。一本でもご自分の歯を永くお使いいただけるよう、努力してまいります。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

お知らせ 治療内容

「MTAセメント」について

近年、歯の治療にはいくつもの大きな革新的な技術・道具・材料が生まれ、その1つにMTAセメントがあります。神経の近くまで虫歯になってしまった場合、神経の空洞の壁に穴が空いてしまった場合、神経の空洞の治療が終了して閉鎖する場合などMTAセメントは色々な場面で使用可能で歯の治療上非常に有用な材料の1つです。

<MTAセメントのメリット>

・わずかに膨張して封鎖性が高い→細菌侵入しにくい

・硬化時に高いアルカリ性を示す→抗菌性を持つ

・高い生体親和性→細胞毒性が弱く、骨を誘導する

・カルシウムイオンの放出→周囲の歯質を強化する

<MTAセメントのデメリット>

・周囲に硬組織が作られるため除去が困難→再治療が必要な場合は外科的手術が必要

・含有する造影剤によっては化学反応により変色することがある

・保険適用外

※米国をはじめとした海外の治療では普通にMTAセメントが使用されています。

日本では神経の空洞の閉鎖にはガッタパーチャーという樹脂が保険による治療に使用され、MTAセメントの使用は薬事の関連で神経の空洞を閉鎖する材料としては保険診療では認められていません。

<ガッタパーチャーのメリット>

・溶解させることが出来る→再治療時に除去が容易

<ガッタパーチャーのデメリット>

・経時的に劣化、吸収する(収縮する)→細菌侵入が容易

・歯と接着性がない→細菌侵入が容易

・抗菌性がない

・歯根の先から出ると異物反応を示すことがある

MTAセメントは1990年代に動物実験などで安全性が確認されており、海外では以前より神経の空洞の治療に使用されています。日本でも日本歯内療法学会などでその効果などが報告されていますが、未だに保険治療での使用は認められていません。 当院ではより治療効果が期待される場合には、適応を診査したうえで、MTAセメントによる神経の空洞閉鎖、直接覆髄や歯根破折にも使用をお勧めしております。   

お知らせ 治療内容

直接覆髄法(ちょくせつふくずいほう)~神経を残す治療~

 

神経の近くまで達してしまった深いむし歯の場合、これまでの治療法では、麻酔をして神経を取る治療が一般的でした。歯の中には、骨から神経とともに血管も入っており、神経を取ってしまうと栄養分も供給されなくなるため、歯が極端にもろくなります。その結果、歯が割れたり、無菌でなくなるため根の先に病巣(細菌の巣)ができることもあります。そのため、できる限り歯の神経は取らないようにすることが、歯を健康に永く使用することにつながります。

当院では神経を残す治療;「直接覆髄法」を行っています。

むし歯になった部分を取り、神経が露出している場合に、MTAセメントという材料を使用し、神経を保護、保存を行い、残すことができる治療法です。

<適応症>

自発痛(何もしなくても痛む)がない

電気歯髄診で反応がある

レントゲンで根の先に異常がない

歯髄(神経)に炎症がない

<成功率>

70%程度

→治療直後に強い冷水痛(冷たいお水が触れると痛む・凍みる)が続く場合は神経を取る治療に移行することがあります。

<直接覆髄の治療方法>

  • 麻酔をしてむし歯の部分を削って取ります。
  • 神経が露出した部分にMTAセメントを貼ります。

その上にレジン(歯科用プラスチック)で仮のふたをします。

*治療はすべてマイクロスコープ;手術用顕微鏡を使用して行います。

 1か月ほど症状がでないことを確認後、最終的なかぶせ物をします。

<費用>

5万円(税込み55000円) かぶせ物は別途かかります

<神経を取った場合の治療方法>

麻酔をして神経を全て取ります。

根の中を消毒、お薬を入れます(1週間に1.2回、数か月通院が必要です)。

根の中に最終的なお薬を入れます。

かぶせ物をします。

<神経を取るデメリット>

血液と栄養分が途絶えるので歯の色がグレーから黒く変わる

痛みを知らせる神経がないためむし歯になっても気づきにくい

歯がもろくなるため割れたり、膿がたまったり、またむし歯になりやすくなる

*神経をなるべく残したい方はお問い合わせください。適応症かどうか診断いたします。

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