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ドクター日記

日本口腔科学会主催の教育研修会に参加いたしました

こんにちは。水曜日に日本口腔科学会主催の教育研修会に参加致しました。

主題「再生医療と歯髄幹細胞研究の新展開」

歯は表面を覆うエナメル質、その中に象牙質、さらに内側に神経があります。エナメル質には神経がなりません。象牙質には神経からの細い枝が伸びていますが、虫歯で痛みを感じることは少ないです(歯医者で削ると痛みを感じます)。神経近くまで虫歯が進行するとようやく痛むことが多いため、「気付いた時には大きな穴が」「歯が痛くて」という症状になります。その結果歯医者に来ると「神経をとりましょう」となってしまうのです。

研修会では神経:歯髄の再生の最新研究、その可能性について4人の先生たちが講演をしてくださいました。動物実験ではすでに神経の再生が成功しており、ヒトでも安全、有効にできるよう研究が進んでいることがよくわかりました。近い将来、「神経をとりましょう」から「神経を再生しましょう」と言える日がくることを心待ちにしております。

ドクター日記

教育研修会に参加いたしました

こんにちは。
この土日に教育研修会に参加いたしました。所属学会である日本口腔外科学会、日本顎顔面インプラント学会および日本歯科放射線学会、日本臨床口腔病理学会の4学会合同研修会です。

テーマは「がん治療に求められる最新基礎知識」。がんの発生要因と予防、病理診断の必要性、放射線治療、薬物療法などについて、各専門の諸先生がたに貴重な講義をしていただきました。なかでも痛みの緩和ケア、がん治療と倫理のお話には、忘れてはいけないことがたくさん盛り込まれていました。

患者さん対医師は人間対人間であり、信頼関係が樹立されていてこその医療である。「医の心」すなわち、患者さんへの共感、いたわりの心、尽くす心、説明と同意を得る心を持つことが必要である。

大学病院を離れ、開院した今ではがんの治療に携わることはほとんどありません。しかし、日々の歯科診療の中で、患者さんの生活背景、希望をよく話し合い、お互いに理解をし、個々の患者さんのQOLを考えていかなくてはと改めて強く思いました。

治療内容

局所麻酔剤の種類について

こんにちは。
本日は当院で使用している局所麻酔薬の血管収縮薬および防腐剤の有無について説明いたします(表参照)。

歯科用キシレステシンカートリッジには、防腐剤は入っておりませんが、血管収縮薬のエピネフリンが配合されています。
歯科用シタネスト-オクタプレシンカートリッジには血管収縮薬としてフェリプレシン、そして防腐剤が入っております。
症例によって、エピネフリン、防腐剤ともに配合されていない局所麻酔薬を選択することがあります。そのため、スキャンドネストカートリッジも用意しております。
エピネフリン無配合のため、高血圧症、動脈硬化、心不全、甲状腺機能亢進、糖尿病の患者さんにも使用が可能です。
防腐剤アレルギーの患者さんにも安心して使用できます。
その他、しびれの持続時間がキシロカインカートリッジの約半分であるため、治療後のしびれの負担が少なくてすみ、お子様などが誤って噛んでしまう危険性が軽減されたり、治療後にご予定のある成人の方にも処置内容によっては使用可能です。

麻酔をする前に、それぞれの方に問診をしてからお薬を選択しております。安心して受診なさってくださいね。

血管収縮薬防腐剤
キシテステシンアドレナリン
シタネストフェリプレシン
スキャンドネスト
ドクター日記

第55回日本口腔外科学会に参加いたしました

こんにちは。秋らしい良いお天気になりました。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
日本大学歯学部口腔外科学教室第二講座の本田雅彦先生のミニレクチャー、「インプラント予後不良例から学ぶ」を受講致しました。

1995年~1999年までの症例と最近の症例とを比較し、最近はお目にかからなくなったタイプのインプラント写真をみせていただきました。予後不良例の原因や予防方法をご提示してくださり、大変勉強になりました。

インプラントは無くなったところに人工の歯根を植える、とても使い勝手が良いものです。せっかく植えたインプラントがだめにならないように、術者の方も診査を十分にし最大の注意を払って手術すべきと再認識致しました。

治療内容

妊娠中、授乳中の局所麻酔について

こんにちは。
麻酔は大丈夫なのかな、レントゲンは、などどいろいろなことが心配になりますね。
今日は麻酔についてお話をします。

妊娠4週~7週には胎児の中枢神経、心臓、消化器、手足などが発生します。
特に、2カ月までは妊娠に気付くかどうかの時期ですので、妊娠の可能性があれば歯科医院でその旨を伝えてくださると対処ができます。

アメリカミネソタ大学のチームが妊娠13~21週、または産後3ヶ月までの方823人を対象に研究を行いました(The Journal of the American Dental Association[2008;139(6):685-695]に掲載されました)。

死産、陣痛による24時間以上の入院、それ以外の理由による入院、胎児奇形、先天異常、新生児死亡などの発生の有無をみました。

結果より、Bryan Michalowicz氏らは
「13~21週の妊婦の歯科治療について、中等度~重度の虫歯、破折歯、根の治療や局所麻酔薬の投与は、安全に施行可能である」
と結論づけています(Dental Tribuneより)。

それでも気になるかたはいらっしゃることでしょう。

  • 歯科用キシレステシン:リドカインと血管収縮薬としてアドレナリンが配合
  • アドレナリン:通常の使用量では弱い子宮弛緩作用により胎盤血流量は増加するとされています。
  • 歯科用シタネスト・オクタプレシン:塩酸プロピトカインと血管収縮薬としてフェリプレシンが配合
  • プロピトカイン:胎盤を容易に通過し、母体濃度より胎児濃度が高くなるため、使用は避けたほうが安全とされています。
  • 歯科用スキャンドネスト:塩酸メピバカイン 血管拡張作用がないためアドレナリンは添加不要
  • メピバカイン:リドカインより胎盤通過性は低いが血中濃度が高くなると胎盤への結合率が高くなります。

以上より、当院では治療の有益性が局所麻酔薬の危険性を上回ると判断される場合にのみ使用し、キシレステシンまたはスキャンドネストを選択し、使用量を必要最低限にするように治療しております。

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